新村 신촌
弘大に主役を譲ったいま、大学生の日常に戻った学生街
最寄駅
客層
ソウル 25 区 · 漢江の江北
どんな街?
新村(신촌)は、2 号線新村駅の北側、연세대학교・서강대・이화여대に囲まれた、古典的な「大学街」です。
신촌로터리を起点に、연세로が大学正門へ向かってまっすぐ北上し、両側にカフェ、居酒屋、コピー屋、安売り化粧品店、カラオケ、PC 房が並びます。韓国では長く「若者の街 = 新村」のイメージが 1980〜90 年代にかけて定着していて、当時は音楽喫茶や社会運動の拠点として文化史に刻まれた街でした。
2010 年代半ばに隣の弘大や延南洞の勢いが増すと、客層が段階的に弘大側へ流れていきました。2014 年に연세로は歩行者中心の「大衆交通専用地区」に再整備されましたが、想定ほどの回復には至らず、賃料と空き店舗のバランスをめぐる議論がいまも続いています。
いまの新村は、かつての喧騒を記憶しつつ、大学生の日常動線を支える静かな学生街に落ち着いた、と言っていいと思います。
客層
主役はあくまで近隣 3 大学の学部生・大学院生で、10 代後半〜20 代が全体の半分以上を占める、ソウルでもとくに若い街です。
平日昼は授業の合間に食事やカフェに来る学生、夕方以降はサークルや同期の集まりで、安価な居酒屋やチキン店、三겹살店が埋まります。週末は試験期間を除くと意外と静かで、「人が多い時間帯と、完全に抜ける時間帯の差が大きい」のが新村の性格です。
観光客比率は低めで、ハングル表記中心、英語・日本語対応はチェーン店と大型商業施設に限られます。観光客が弘大に流れるようになった結果、新村に残る客層はより純粋に「その大学に通う学生・卒業生」に寄っていて、街全体の日本語・英語対応は徐々に薄くなっています。
街のあゆみ
新村は 1970〜80 年代に、学生運動と大学文化の象徴として知られました。독수리다방(1971 年開業)や当時の音楽喫茶が、若者文化の拠点でした。
1990 年代半ばまで「ソウルの若者街」と言えば新村を指していましたが、1995 年の 2 号線홍대입구駅周辺の台頭、2000 年代以降のクラブ・インディ音楽シーンの拡大で、主役の座は徐々に弘大へ移ります。
2014 年の연세로歩行者化は、衰退局面への行政側の応答として行われましたが、想定ほどの客足回復には至っていません。2013 年に독수리다방が 8 階に再開業したのは、新村という街が「失ったもの」を自覚的に編集し直しはじめた、象徴的な出来事でした。いまは賃料の落ち着きが新しい個人店を呼び込む局面にあり、緩やかな小復調の兆しが見えつつあります。
歩きかた
平日昼 12〜14 時と夕方 18 時以降は学生で通りが活気づくので、学生街の空気を味わうならこの時間帯。逆にゆっくり歩きたいなら、試験期間(6 月末/12 月末)か長期休暇中(1〜2 月、7〜8 月)の昼間が静かです。
連世大正門までは新村駅 2 番出口から연세로を北へ徒歩 10 分、독수리다방は正門真向かいの建物 8 階にあります。
夜の飲み屋街は学生向け価格帯が中心で、安く数軒はしごできますが、深夜帯のタクシーは捕まえにくいので、地下鉄の終電(だいたい 24:00 前後)を意識した計画で。昔ながらの食堂も通りに残っていて、ゆったり歩くにはちょうどいい街です。