往十里 왕십리
2・5 号線+京義中央+水仁盆唐。聖水の裏に呼吸する街
最寄駅
客層
ソウル 25 区 · 漢江の江北
どんな街?
往十里(왕십리)は、地下鉄 2・5 号線に加え、경의중앙선・수인분당선が交わる四線結節のターミナル駅です。都心と江南、そしてソウル東部郊外の京畿道を結ぶ、中継地点。
地名の由来は朝鮮建国時の伝説で、「あと十里行けば都となる」と伝えたという逸話に基づく、と言われています。駅舎は 2008 年に民間資本による立体複合ビル「비트플렉스」として再整備されて、地下〜5 階にエンターシックス・CGV・飲食店街・百貨店機能が入る、駅全体が商業施設のような構造になっています。
地上に出ると、北は응봉산、南は清渓川、東は한양대학교と、意外に地形の変化に富んだ街です。西へ歩けば 15 分ほどで聖水洞の工場リノベ・カフェ群に到達し、「聖水の盛り上がりの裏口」として機能する側面も持ちます。
華やかな主役ではなく、誰かの目的地の一つ手前の駅、という静かな立ち位置が、往十里の個性です。
客層
平日の主役は、住宅地に住む 30〜40 代と、漢陽大学校・聖水界隈への通勤通学客。駅ナカのエンターシックスとビットプレックスは、近隣住民が夕食・映画・買い物を一度に済ませる「生活の駅ビル」として使われていて、観光目的で降りる客はほとんどいません。
週末は家族連れと若いカップルの比率が高く、CGV 王十里 IMAX を目当てに郊外から来るお客さんも見られます。
観光密度は「ほぼ地元」で、看板やメニューはハングル中心。英語対応は大型テナントに限られ、日本語対応はほぼ期待できません。その代わり、聖水・성수연방まで徒歩や一駅で行ける利点は、観光客にとっての実用価値として、最近急速に再評価されつつあります。
街のあゆみ
往十里は朝鮮王朝期には都城の外側の要衝として栄え、20 世紀には鉄道操車場を擁する労働者の街でした。旧型の低層住宅街が長く残って、2010 年代前半までは「住宅地と駅と予備校の街」という、どちらかといえば地味な顔立ちでした。
2018 年以降、隣の聖水洞が「工場リノベの聖地」として全国区の注目を集めるようになると、往十里も「聖水の裏手」として再認識されるように。地価・賃料の上昇を避けた小規模店やアトリエが駅周辺や城東一帯に移り始めて、京義中央線・水仁盆唐線(2012 年以降延伸)と 2 号線の結節効果が、再発見された形です。
街自体は派手に変化していませんが、周辺地域の動きに引っ張られる形で、ゆるやかに上向いています。
歩きかた
観光目的なら、往十里は「聖水を歩く前後の足がかり」として使うのが自然です。2 号線で聖水駅まで一駅、徒歩でも 15〜20 分で성수연방や대림창고ギャラリーあたりに出られます。
ビットプレックスで映画を見て、聖水まで歩いてカフェを巡る、という半日コースは、体力的にも無理がありません。응봉산の개나리(迎春花)祭りは 3 月下旬〜4 月上旬、山頂まで徒歩 15 分で、漢江越しの桜と黄色の斜面が同時に見える、地元ではよく知られた春の景色です。
夜は 0 時近くなると四線同時に最終電車の時間が迫り、ホームが一気に混むので、乗り換え時間は余裕を持って。