東大門市場 동대문시장
布と服と DDP。夜に目を覚ますソウルの衣料卸の心臓
最寄駅
客層
ソウル 25 区 · 漢江の江北
どんな街?
東大門市場(동대문시장)は、1905 年開設の広蔵市場(광장시장)を起点に、清渓川 5〜6 街のあたりに広がる巨大な卸売と小売のかたまり。布地、服飾、寝具、皮革、副資材と、ジャンル別にビルが分かれていて、平和市場・東平和市場・デザイナーズクラブなど十数棟が密集しています。
おもしろいのは、この街が本気で動くのは夜だということ。20 時ごろから卸売棟が動き出して、店じまいは早朝 5 時。東大門の主役時間は、深夜から明け方なんです。昼に歩いていても、半分眠った街の姿しか見えません。
2014 年、市場の南端にザハ・ハディド設計の DDP(東大門デザインプラザ)が開業しました。銀色の流線形の巨体が、古い衣料ビル群と向き合う、ちょっと不思議な構図。観光客は DDP 側に、服飾バイヤーは市場棟に、と動線がふたつに分かれています。
客層
昼間の主役は、韓国各地から来た小売店主や EC 事業者。台車を押して棟から棟を回る 30〜40 代が中心です。夜になるとモードが切り替わって、日本・東南アジア・中東から仕入れに来たバイヤーが加わります。
一方、doota mall みたいな小売ビルや DDP 周辺は、20 代の観光客と学生が多め。同じ「東大門」でも、場所によって客層がくっきり分かれているんです。
観光密度は半々くらいに見えるかもしれませんが、卸市場は基本 B to B。看板もメニューもハングルのみです。広蔵市場の食堂通りだけは別格で、ユッケや緑豆煎餅の有名店の前には、昼も夜も行列ができています。
街のあゆみ
戦後、焼け野原になった京城駅〜東大門のあたりに露店が集まって、1960 年代に専門卸としての区画が形に。1990 年代にはミリオレや斗山タワーといった夜通し営業の小売モールが登場して、「深夜ショッピング」ブームを作りました。ソウル観光の定番だった時代です。
2014 年の DDP 開業は、跡地にあった東大門運動場を撤去して建てられたこともあって、地元では賛否が残っています。2010 年代後半以降、卸市場は EC に押されて深夜の賑わいは少しずつ静かに。ただし広蔵市場の食堂街と DDP 周辺は、観光地としての熱を保ったままです。
歩きかた
観光なら、昼は広蔵市場、夕方以降は DDP、という二段構えがやりやすいです。広蔵市場の食堂通りは 11〜15 時と 18〜20 時がピーク。空席を狙うなら午後 3 時前後がねらい目。
卸売棟の深夜を体験したいなら 23 時以降。ただしビルごとに休業曜日が違うので、事前チェックが必須です。通路は狭くて台車がひっきりなしに通るので、リュックは前に回しておくと安心。
地下鉄は 1・4 号線동대문駅が市場本体の最寄り、DDP は 2・4・5 号線東大門歴史文化公園駅が最寄りで、駅が違うので要注意です。